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導入事例|ノードはブロックチェーン世界への窓口。安定したデータ取得によってサービスのUI/UXを向上。

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会社名:Metaps Alpha

事業内容:

・ブロックチェーンを利用したデジタルアイテムのマーケットプレイス「miime」の運営
・ブロックチェーンの調査・分析、ミートアップの開催等

ブロックチェーン活用領域:

・NFT活用
・スマートコントラクト

インタビュー協力:
・事業責任者・青木 宏文氏

導入サービス:

・Node API
・Accounting API(Gtax for Enterpriseと連携)

- GincoのNode APIを利用して、ブロックチェーン上のノンファンジブルトークン(非代替性トークンのこと。以下、「NFT」と記載。) のマーケットアプリを開発されているMetaps Alpha 事業責任者・青木さんにインタビューさせていただきました。
NFTを利用した新しいデジタルアセットマーケットの展望やサービスの裏話をお伺いしてまいります。青木さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

1|NFTのマーケットプレイス「miime」を通じて、デジタルアセットが日常的にやりとりされる世界を見据える

- 青木さんが開発されている「miime」とはどういったアプリなのでしょうか?

「miime」はユーザーがブロックチェーンゲームやサービスなどで手に入れたデジタルアセットを自由に売買するためのマーケットプレイスアプリです。

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いわば、ブロックチェーンアイテム版のメルカリのようなものですね。

実際に『My Crypto Heroes』さんや『Crypto Spells』さんといったNFTゲームのアイテムを取り扱っております。

- なぜ、NFTのマーケットプレイスに取り組まれたのでしょうか?

私がNFTに興味を持ったきっかけは、2017年に業界を席巻した「Cryptokitties」です。最初は単なるブラウザゲームとして猫を買ってみただけだったのですが、その後ブラウザ機能のあるウォレットアプリに送った時にハッとしたんです。

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「オフィシャルのサイトでもない全く異なる環境で、ゲームアイテムを見られる、触れられる」ということが今までにない驚きで、”所有感”のようなものを強く覚えました。

新しいデジタルアセットであるNFTには非常に大きな可能性があります。特に「VR/AR」の領域では真価を発揮するでしょう。いわゆるXRの領域ですね。

今後、デジタルな仮想世界は現実のフィジカルな世界と同じくらい私達の生活に融け込み、市民権を得ていくんだと思います。このとき「価値」を持ったデジタルアセットをどこかの企業が全て管理するのはリアリティがない。

映画『レディ・プレイヤー・ワン』の世界では超大企業がまるごとVR世界を牛耳っていましたが、ああいった形よりはむしろブロックチェーンのように複数の参加者によって維持され公共性のあるシステムでデジタルアセットが管理される方が望ましいんだと思います。

私達にとって「miime」は、仮想世界の普及とともに価値の流通を大きく変えていくサービスだと考えています。

- miimeのサービスを運営されて、気づいたことや分かったことはありますか?

オープンβを開始して沢山のユーザーが参入してきたとき一番面白かったのは「適正な価格のアセットが出品されていれば、みんなちゃんと買いにくる」のを体感できたことです。

キャッシュバック形式で出品を募ったこともあり、リリース時にはたくさんのアセットが並んでいたのですが、それらがちゃんとユーザーに買われていった。

もちろん、マーケットプレイスで商品の流動性は非常に重要なので、出品数/購入数を高めていく必要はあるのですが、NFTを取り巻く「市場」や「相場」が既に存在していることを強く感じました。

同時に、市場の成熟度合いに対して従来サービスの使い勝手が追いついていなかったのだ、ということもあらためて実感しました。

2|ブロックチェーンサービスだからこそUI/UXにこだわりを

- 実際にサービスを利用してみたのですが、とても使いやすくて感動しました。やはりここにはこだわりをもっていらっしゃるのでしょうか?

ありがとうございます。

今の所、あくまで「取引所」や「ウォレット」「ブロックチェーンゲーム」に慣れ親しんだ方々にとっての”使いやすさ”になってしまっているので、本当に一般の人が何も考えずに扱えるようにしていかなくては、とも思っています。

同様のサービスを使ったことがある人にとっての「使いやすさ」と、全く初見の人にとっての「使いやすさ」は別物です。ここは私達のサービスにとっても未だ課題ですし、技術面や規制面での解決を待たなくてはいけないものでもあります。

ただ「ブロックチェーンサービスだから、これくらいのUI/UXでもいいよね」という妥協は絶対にしません。サービス品質としてUI/UXにはこだわりをもっています。metaps_interview_image_3

- UI/UXへこだわるうえで、どんなことを意識されていますか?

ブロックチェーンサービスで「便利さ/不便さ」を考える際に、コントロール可能な領域とそうでない領域があります。例えば、Ethereumのパブリックチェーンだとトランザクションがひょんなきっかけで詰まってしまったり、Gasが高騰してしまったりする。

こういったアンコントローラブルな要因にどれだけ振り回されずにサービスをハンドリングするかが、重要だと思います。

- なるほど。実際のユーザー体験にはどのように反映されているのでしょうか?

例えば、miimeのユーザーがトークンを出品しようとすると、アプリの裏側でトランザクションが発行され、それがEthereumのブロックに取り込まれるまで「pending」の状態になり、ブロックに取り込まれて初めて取引が確定する。

この「自分の手を離れたトランザクションの状態遷移の情報」を、①どのように取得するか、②どのようにユーザーに表示するか、はアプリの使用感を考える上でのポイントでした。

通常、自分たちが自由に情報を取得できるNodeを持っていないと、トランザクションの状態遷移をアプリ上でリアルタイムに表示するのは難しいんですよ。ところが、自分たちでノードを立ててしまうとハードフォークやトランザクション詰まりなどネットワーク事情に振り回されてしまう。

そこで、自分たちが直接トランザクション情報を取得でき、かつ、ネットワーク事情をそこまで意識しなくてもよいサービスとして、GincoのNode APIを採用いたしました。

3|ブロックチェーンサービスの品質は自社サービス外の情報をどれだけ正しく取り込めるかで決まる

- 実際にmiimeでは、ブロックチェーン上からどういった情報を取得しているのですか?

通常、マーケットプレイスというと自分たちのプラットフォーム内の商品のステータスを把握できればいいように思われがちなのですが、実はmiime以外のサービスで何が起きているかを把握することが同じくらい大切なんです。

例えば、miimeで出品したNFTをOpenSeaでも同時に出品する、というユーザーが一定数存在します。このとき、OpenSeaでそのNFTが売れてしまったら、所有者が変わるのでmiime上でそのNFTのステータスを変更しなくてはいけません。

このために、出品されたERC-721のインターナルトランザクションを監視し、外のサービスでそのNFTがどう扱われたのかを追跡しています。

- それって、めちゃくちゃ大変じゃないですか…?

そうなんですよ。幅広くブロックチェーン上の情報を取得し続けなくてはいけません(笑)

「メルカリとヤフオクに同時出品された商品が片方で売れたら、もう片方の商品は自動で取り下げられなくてはいけない」というようなもので、かなり大変です。逆にこれがプログラムで実現できるのがNFTのすごさ、とも言えるのですが。

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将来的にはマーケットプレイス同士が共通のプロトコルで、出品情報を共有しあえるようになればいいとは思うのですが、今のところはNFTに紐付いたトランザクション情報を丁寧に追い続けなくてはなりません。

- miimeでは外部のNFTの画像やステータスといったオプショナルなデータをどう扱っているのですか?

これはゲーム会社さんが提供されているAPIなどから、定期的に私達のデータベースに取り込んでいっています。

理由は2つあって、1つ目はあまり頻繁にAPIを叩きすぎるとゲーム会社さんの負担が増えてしまうという事情。2つ目はゲーム事業者のメンテナンス時などに自社のサービスが影響を受けてしまうことになる、という理由です。

- miimeはかなり積極的に外部のデータを取りに行っているんですね。

先述の通り、ブロックチェーンサービスのUI/UXを高めるためには、ブロックチェーン内外の情報をどれだけ正確かつリアルタイムで取り続けるか、という問題に向き合わなくてはなりません。

ブロックチェーンという公共のネットワークにプロダクトを置くことになるので、その周辺で何が起きているかをきちんと把握して、ユーザーに提示しないと「なんだか上手く動かない」「不完全なサービスじゃないか」と感じさせてしまうんです。

- miimeのUXへのこだわりが見えてきました。

UI/UXには2種類あります。一つは、あきらかにユーザーが使いやすいと感じる、付加価値的な魅力を感じてもらうためのもの。そしてもう一つは当たり前の品質をユーザーに感じてもらう、品質の担保するためのものです。

今の時代、世の中にはありとあらゆるサービスがあふれていますから「品質が悪い」と感じさせてしまったらおしまいです。

そのために、ユーザーの見てる世界、ユーザーの辿る導線と齟齬が起きないよう、ブロックチェーン上の情報をきちんと取り込めるように設計しなくてはいけません。

- miimeをこれだけ使いやすく作るために、ブロックチェーン上の情報を能動的に取りに行くことが必要だったんですね。

4|Nodeはブロックチェーン世界への問い合わせ窓口。問われるのは安定性と正確さ

- 実際にGincoのNode APIをご利用いただいて、いかがでしょうか?

NFTに関するトランザクション情報は、miimeが最も頻繁かつ定期的に取得するデータですから、これを提供するノードには、稼働率の高さ、安定性が求められます。また、情報が正しく最新のネットワーク状況を反映できているかどうかも重要です。

ノードはいわばブロックチェーンの世界への問い合わせ窓口なんですよ。

その窓口が不定期に閉まっていたり、問い合わせた答えが三日前の情報だったりすると、サービスが立ち行かなくなってしまいます。

その点でGincoさんのノードには、安定性・情報の正確性のどちらにも非常に満足しています。

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- 自社で立てる、フリーのノードを利用するなど、他の選択肢は検討されたのですか?

当初からノードを自社で立てる、運営するという選択肢はありませんでした。それだけでエンジニアの工数をがっつり取られてしまうので、やりたいことに専念できなくなってしまいます。

また、フリーのノードでは安定しないという評判を伺っていたことや、Gincoさん自身が自社のノードを用いて1年以上サービスを続けられているので、安心してお声がけいたしました。

- 嬉しいお言葉、本当にありがとうございます。他の利用者様のケースですと、レイテンシが一番の決め手になったとお話を伺ったのですが、miimeの場合はいかがでしょうか?

私達の場合は「ユーザーごとのNFTを一覧で大量に瞬時に表示する」というような処理にはしていませんから、採用当初レイテンシはそこまでシビアな条件ではありませんでした。

ただ、今後サービスを拡充していく中で、レイテンシが問題になってくる時も来るでしょう。

5|GincoのNode APIへのご要望

- 今後、ノードのご利用にあたって、リクエストや改善点等はございますか?

そうですね。今だと、ブロックチェーン上でエラー処理が発生したトランザクションのリアルタイム情報が取れないので、改善していただけると助かります。

例えば、スマートコントラクトがバリデーションをかけている場合に、そのバリデーションにひっかかって途中で処理が止まると、イベントを細かく取ることができないんですよ。

これはGincoさんに限らず、そもそも取得するのがとても難しい。

- なるほど…これが取れないとCSが大変になりますよね。

そうなんです(笑)Gincoさんのノードはブロックチェーンのピュアなノード機能を呼び出す際にとても便利なので、追加でサービス提供の現場に必要なAPIを増やしていただけるととても助かります。

よりサービス品質を高めるために、「なぜエラーが起こったのか」をユーザーに正しく説明する必要があるので。もちろんブラックボックスではなく、個別の問い合わせでご対応いただけている部分ではあるんですが、システム面でこれを改善できるとすごくいい。

- 貴重なご意見いただき誠にありがとうございます!

6|miimeの今後に向けて

- miimeを今後どのように展開されていくのか、展望をお伺いしても構いませんか?

まずはNFTがきちんと流通している日本のブロックチェーンゲームへの対応数を増やしていくつもりです(2019年12月現在では『My Crypto Heroes』『Crypto Spells』に対応)。

また、スケーラビリティのあるブロックチェーンへ対応していきたいですね。基本的にmiimeのようなマーケットプレイスは結局コンテンツがないと活用されないので、コンテンツのある場所に張っていくつもりです。

他にも、参考価格を出したり、レビューや解説などのコンテンツを見ながら売買ができる機能も今後のスコープに入っています。

- それは楽しみですね!同時に、NFTのエコシステムが盛り上がってくることが重要になってきそうですね。

純粋にエコシステムが盛り上がるために必要なものとしては、法定通貨と仮想通貨の交換をもっと簡易化できれば、とは思っています。今はアセットを買うためのETHも取引所のサービスを介してしか行えないので(笑)

FXのような板取引でもなく、サクッと仮想通貨を買えるようなサービスがあれば業界が盛り上がりますよね。

私達のサービスは、「仮想通貨を買う」「ゲームを遊ぶ」「NFTを手に入れる」の更に先のマーケットです。今のところは「これまでNFTトレードをしていてサービスが使いにくい」と感じていたターゲットにご利用いただいていますが、もっとフランクにデジタルアセットに触れるきっかけ作りサービスにしていきたいとも思っています。

例えばあるゲームを遊んでいる人が「他のゲームも遊んでみようかな」というきっかけになったり、NFTの入手をきっかけにゲームを遊び始めるような仕掛けを作っていきたいですね。

アイテムのエアドロップとかはNFTの所有感をダイレクトに伝える方法だと思います。従来のゲームでは、インストールの後にしかアイテムが手に入らなかったはずですが、miimeのアプリを入れてウォレットを持っている方に、全く新しいゲームのアイテムを配る、といったことも可能になります。

今後もゲームの"外"、エコシステムの"中"にあるサービスとして、ブロックチェーンの価値流通を盛り上げるハブになっていきたいと思っています!

- miime上であらゆるデジタルアセットが自由にやり取りされる世界が今から楽しみで。本日はありがとうございました!

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★インタビューのポイント★

  • NFTのマーケットプレイスでは、外部サービスで起きた出来事をウォッチして、それをユーザーに反映している。
  • 一般論として、ブロックチェーンサービスの品質は自社サービス外の情報をどれだけ正しく取り込めるかで決まる。
  • Nodeはブロックチェーン世界への問い合わせ窓口であり、安定性と情報の正確さが必要とされる。

 

 

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